えん

えん
I
えん【円】
(1)まるいこと。 また, そのもの。 まる。

「~を描く」

(2)〔数〕 一平面上で定まった一点(中心)から一定の距離にある点全体からなる図形。 円周。 また, これに囲まれた平面の部分。
(3)1871年(明治4)に制定された日本の貨幣の単位。 一円は一〇〇銭。
II
えん【冤】
無実の罪。 ぬれぎぬ。

「~をすすぐ」

III
えん【園】
「幼稚園」「保育園」などの略。

「~の方針」

IV
えん【塩】
酸と塩基との中和反応によって生じるイオン化合物。 酸の水素イオンを金属などの陽イオンでおきかえた化合物, または塩基の水酸化物イオンを酸の陰イオンでおきかえた化合物とみることもできる。 典型的な塩はイオン結晶の固体で, 水によく溶けるものが多い。 食塩(塩化ナトリウム NaCl)は, 塩酸(HCl)と水酸化ナトリウム(NaOH)の反応で得られる代表的な塩である。
V
えん【宴】
酒食を共にして, 楽しむこと。 また, その会。 うたげ。

「~を設ける」「~を張る」

VI
えん【焉】
〔漢文の文末助字の用法から〕
「われ関せず焉」などの形で, 語句に添える強めの言葉。
VII
えん【燕】
(1)中国, 戦国時代の七雄の一。 周の武王の弟, 召公奭(シヨウコウセキ)に始まる。 現在の河北省北部を領有。 薊(ケイ)(北京)に都した。 昭王のとき, 全盛を誇ったが, 紀元前222年秦(シン)に滅ぼされた。
(2)中国, 五胡十六国時代の国。 前燕(307-370)・後燕(384-407)・西燕(384-394)・南燕(398-410)・北燕(409-436)の五国がある。
VIII
えん【筵】
〔敷物・むしろの意〕
座席。 催しや酒宴の席。

「けふは南溟老人が喜寿の~といひ/安愚楽鍋(魯文)」

IX
えん【縁】
(1)人と人を結ぶ, 人力を超えた不思議な力。 巡り合わせ。

「こうなったのも何かの~」「ご~があったら, また会いましょう」

(2)親子・夫婦・親戚などの間柄。

「親子の~」

(3)知り合いの間柄。 交わり。 縁故。

「友達の~を切る」「~を頼って上京する」

(4)関係。 つながり。

「学問には~がない」「日本と~の深い国」

(5)関係のできるきっかけ。

「これが~で結ばれる」

(6)〔仏〕 結果を生ずるための間接的原因や条件。

「他生の~」

(7)(「椽」とも書く)和風建築で, 部屋の外側につけた板張りの細長い床の部分。 入り側(ガワ)・榑(クレ)縁・木口縁(切り目縁)・簀子(スノコ)縁・濡れ縁などの種類がある。 えんがわ。

「~に腰をおろす」

(8)母屋(モヤ)の庇(ヒサシ)の端。
~と浮世は末(スエ)を待て
良縁と好機とは無理に求めず, 自然に来るのを待つのがよい。 縁と月日の末を待て。
~なき衆生(シユジヨウ)は度(ド)し難(ガタ)し
仏の広大な慈悲をもっても仏縁のない人は救えない。 人の言葉を聞き入れない者は救いようがない。
~に付・ける
嫁入りさせる。 縁づかせる。
~に繋(ツナ)が・る
血縁関係がある。 つながりがある。
~に連(ツ)るれば唐(トウ)の物
〔縁が生じれば, 唐の(遠くの)食物を口にするの意〕
何かの縁で, 思いもかけぬ疎遠なものとも関係が生じる意。
~は異(イ)なもの味なもの
男女の縁は常識では考えられない不思議でおもしろいものであるの意。 縁は異なもの。
~もゆかりも無・い
何の関係もつながりもない。
~を結・ぶ
(1)仏法とのつながりをつくる。 成仏(ジヨウブツ)すべき因縁を結ぶ。 結縁(ケチエン)。
(2)夫婦・養子などの間柄となる。 縁組みをする。
X
えん【艶】
(1)なまめかしく, あでやかである・こと(さま)。

「~な女性」「~な美しさ」「~を競う」

(2)歌学の美的理念の一。 優雅であでやかな明るい美的感動をさす。 余情の深くなったものを妖艶という。
(3)風流なさま。 風情のあるさま。

「何心なき空の気色も, ただ見る人から~にも凄くも見ゆるなりけり/源氏(帚木)」

(4)何ともいえずすてきであるさま。

「鈍色の紙, いとかうばしう~なるに/源氏(澪標)」

(5)思わせぶりなさま。 気取ること。

「例の~なると憎み給ふ/源氏(末摘花)」

XI
えん【衍】
「衍字」の略。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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